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100万円貯金のためにやるべき具体案や挫折しないコツを解説。早くお金を調達したいときは?

※本コラムの内容は、弊社の商品の内容を説明するものではありません。

100万円貯金のためにやるべき具体案や挫折しないコツを解説。早くお金を調達したいときは?

1年間で100万円貯金したい場合、単純に計算すると月々約8.3万円貯金すれば達成できます。ただし、収入によってはこの貯金額では負担が大きく、1年間で100万円を貯めるのは難しいかもしれません。

貯金は継続することが大切であるため、目的を明確にしたうえで無理のない金額・期間を設定するのがおすすめです。

この記事でわかること
  1. 1年間で100万円貯金することは可能
  2. 貯金は無理のない金額・期間で継続的に行うことが大切
  3. お金が欲しいタイミングによっては、カードローンも検討する
目次

    貯金をするメリット

    貯金は個人の経済的な安定と将来の計画のために重要です。ここでは、貯金をするメリットを説明します。

    貯金をするメリット

    突然の出費に対応できる

    貯金は、突然の出費や緊急の状況に役立ちます。日常生活において、例えば病気や車の故障、失業などの不測の事態が起きることもあるでしょう。貯金があれば何か起きたときに備えられ、生活の安定性を保つのに役立ちます。

    貯金があると、予想外の支出や経済的なストレスによる不安や緊張が軽減されるでしょう。

    金銭面と精神面で余裕が生まれる

    金銭的に余裕が生まれれば、結果として心に余裕が生まれやすくなります。

    貯金があれば、旅行に行ったときに予算を少し高くして楽しめたり、転職時に余裕をもって取り組めたりとさまざまなメリットがあります。精神面でのゆとりが生まれることにより、日常でのストレスが軽減されるでしょう。

    将来的な不安が軽減される

    貯金を習慣化できると、定年後も安心して過ごせるようになります。

    定年後に働くという選択肢もありますが、健康上の理由やゆっくりしたいと退職する方もいるでしょう。退職時に充分な貯金があれば、貯金を崩しながら余裕を持った老後生活を送れます。貯金があるとないとでは、老後の経済的な不安に大きな違いが出るでしょう。

    また「老後2,000万円問題」のように、老後の20~30年で約2,000万円の資金が不足するという予測もあります。老後2,000万円問題は、2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の報告書に「老後20~30 年間で約1,300 万円~2,000 万円が不足する」という記載が含まれていたため話題となりました。老後2,000万円問題はすべての方に当てはまるとは限りませんが、年金だけでは足りない可能性があるため貯金が重要です。

    年間の貯金平均額【年代別】

    自分と同じ世代の人が、どれくらい貯金しているか気になる方もいるかもしれません。ここでは、単身世帯と二人以上世帯に分けて年代別の貯金平均額を確認してみましょう(以下、年代別の貯金額および金融資産保有額の数値については、金融広報中央委員会公表「家計の金融行動に関する世論調査」より引用)。

    単身世帯
    年代 平均値 中央値
    20代 176万円 20万円
    30代 494万円 75万円
    40代 657万円 53万円
    50代 1,048万円 53万円
    60代 1,388万円 300万円
    70代 1,433万円 485万円

    どの年代も平均値と中央値に大きな差があることがわかります。平均値はすべての金額を世帯数で等分したときの金額です。中央値は、数値を小さい順に並べた場合に中央にくる金額です。一部の貯金額が高い人によって平均値が大幅に上がることがあるため、平均値だけでなく中央値も参考にしてみてください。

    二人以上世帯
    年代 平均値 中央値
    20代 214万円 44万円
    30代 526万円 200万円
    40代 825万円 250万円
    50代 1,253万円 350万円
    60代 1,819万円 700万円
    70代 1,905万円 800万円

    二人以上世帯の場合、どの世代も単身世帯よりは貯金額の平均値と中央値が高いことがわかります。例えば30代の場合、単身世帯の平均値は494万円ですが二人以上世帯の平均値は526万円と約30万円の差があります。

    各年代のお金の使い方の特徴については、以下のとおりです。

    20代

    20代の場合、単身者のうち金融資産保有額が100万円未満の方は39.0%、100万円以上200万円未満の方が19.8%です。

    20代の方の貯金額は、単身・二人以上世帯を問わず、貯金額が比較的高くないことがわかります。上の世代と比べると収入が低く、貯金に充てるお金に余裕がないことが原因と考えられるでしょう。また、20代の場合は娯楽やレジャー費などの支出が高いことも影響している可能性があります。

    30代・40代

    30代・40代の二人以上世帯の場合、金融資産保有額が100万円未満は30代の方は17.6%、40代の方は15.1%です。

    30代・40代の方は20代の二人以上世帯よりも貯金額が多いものの、全世帯の平均貯金額より低くなっています。その理由のひとつに、30代・40代の方に以下のようなライフイベントが考えられます。

    30代・40代に多いライフイベント

    • 結婚
    • 出産
    • 育児
    • マイホーム購入
    • 子供の教育 など

    いずれもお金がかかりやすいライフイベントであるため、貯金が減りやすいと考えられます。

    50代・60代

    50代・60代の二人以上世帯の場合、金融資産保有額が100万円未満は50代の方は12.3%、60代の方は7.7%です。

    50代・60代は結婚や子育てなど大きな支出が発生するイベントが一段落する世代です。支出が減り、収入が増えるため、貯金額がふえる傾向があります。また、退職金の受け取りがあることも貯金額がふえる原因と考えられるでしょう。

    1年間で100万円貯金することはできる?

    計画的に行えば、1年間で100万円貯金は達成可能です。単純に計算すると、月々約8.3万円貯金する必要があります。

    収入が変わらなくても、現在の生活費や支出を詳細に分析して削減できる無駄な支出を見つけると、その分を貯金に充てられます。貯金に充てる資金を確保するためには、予算を立てたうえで支出を制御することが重要です。

    また、ボーナスが入ったときにまとめて貯金に充てるのも有効な手段です。例えばボーナス月に追加で15万円貯金できるなら、月々約5.8万円の貯金が必要となります(※)。

    ただし、「1年後に100万円が絶対に必要」といった予定がなければ、1年間で100万円貯めるのは挫折しやすいかもしれません。月々約8.3万円を貯金にまわすのは、収入によっては厳しいこともあるでしょう。貯金は継続することが大切であるため、無理のない金額・期間を設定することがおすすめです。

    ※ボーナス月が年2回の場合

    貯金を挫折しないためにやるべき3つのこと

    ここでは、貯金を挫折しないためにやるべきことを3つ紹介します。

    貯金を挫折しないためにやるべき3つのこと

    貯金の明確な目的を定める

    継続的に貯金をするためには、貯金する目的を定めましょう。目的が明確でなければ、途中で挫折してしまう可能性が高くなります。

    例えば「1年後にハネムーンに行く」「2年後に引っ越しをする」などの具体的な目標があれば、貯金のモチベーションを保ちやすくなります。もし漠然と「お金を貯めたい」と考えているなら、貯めたいと思ったきっかけや目的を振り返ってみるとよいでしょう。

    家計の収支を見直したうえで無駄な出費を明らかにする

    貯金するときはいきなり貯金額の目標を立てるのではなく、まずは月々の支出を見直すことが大切です。

    支出を見直して無駄な出費を見つけたら、それらを削減していきましょう。漠然と出費を抑えるのは大変ですが、例えば「食費を月〇〇円減らす」「週1回の飲み会を減らす」などと具体的に目標を立てると実行しやすくなります。

    無理のある貯金目標を設定しない

    「1年間で100万円貯金する」という目標を掲げるとしても、本当に実現可能か見極めるようにしましょう。

    無理に貯金をして生活が苦しくなってしまうと、貯金を継続できないかもしれません。貯金のストレスの反動で、散財してしまう可能性があります。

    貯金を長く続けるには、無理のない月々の貯金額、貯金期間を設定することが大切です。計画段階で難しいと感じた場合は、1年間100万円にこだわる必要があるかも検討しましょう。無理なく続けられる貯金目標を立ててみてください。

    100万円貯金するためにやるべき7つの方法

    100万円貯金するためには、さまざまな方法が考えられます。ここでは7つの方法を紹介します。

    100万円貯金するためにやるべき7つの方法

    固定費を削減する

    100万円貯金するためには、固定費を削減しましょう。月々の出費のうち、固定費がかさんでいるケースがあります。固定費は必ず出費が発生するため、ひと月数千円でも削減できると1年間あたりで数万円の節約になります。

    固定費といっても家賃や水道、光熱費などを減らすのは難しいでしょう。家を引っ越すのは簡単ではありませんし、生活に欠かせない水道や電気の使用量を削減するのには限界があります。しかし、以下のような固定費であれば削減できる可能性があります。

    • ・有料動画配信サービス
    • ・スマホアプリ
    • ・スマホ代
    • ・ウォーターサーバー
    • ・ジム
    • ・カーシェアリング
    • ・保険

    申し込んだもののほとんど使っていないサービスがあれば、解約を検討してみるとよいでしょう。スマホを格安SIMに変えて月額料金を抑えるのもおすすめです。

    月の初めに予算を考える

    貯金をするためには、月の初めに予算を立てましょう。月々の収入と支出を詳細に調査したうえで、何に何円あてるのかを考えます。

    例えば「食費に〇円、娯楽費〇円」とあらかじめ決めておくことで、支出を制御して貯金に充てるための資金を確保しやすくなります。予算を超えないように支出を管理すれば、無駄な出費を削減できるでしょう。

    先取り貯金をする

    収入が入ったタイミングで貯金口座に一定の金額を振り込む「先取り貯金」をすると貯金が貯まりやすくなります。

    先取り貯金の金額の目安としては、給与の2割程度と無理のない金額がおすすめです。家賃や通信費など月々で引かれる固定費と同じように、あらかじめ貯金分を差し引きます。残ったお金のなかでやりくりすることで、貯金できる状態をつくる方法です。

    先取り貯金をするには、「給与振込口座から自分で貯金用口座に移す」「給料日に貯金用口座へ自動振替を設定する」などの方法があります。

    家計簿をつけて貯金の進捗を管理する

    家計簿をつけると、貯金の進捗を管理しやすくなります。家計簿に毎日または毎週、支出を記録することで、どこにお金を使っているのかを把握できるようになります。無駄な支出や改善できるポイントを発見しやすくなるでしょう。

    貯金の進捗を定期的に確認することでモチベーションにもつながります。貯金の進捗を見ながら必要に応じて計画を調整し、目標が現実的に達成可能かどうかを確認できます。

    控除を利用する

    貯金をする場合は控除の利用を検討することもおすすめです。控除は税金を軽減し、手元に残るお金を増やせるため貯金に繋がります。控除には、例えば以下のようなものがあります。

    住宅ローン控除
    (減税)
    年末の住宅ローン残高の0.7%を
    最大13年間、所得税等から控除する制度。
    医療費控除 医療費が一定額を超えたときに受けられる控除。
    確定申告書を提出すると還付金を受け取れる。

    控除を上手に利用すると手元に残るお金が増える可能性があります。貯金を機に控除について勉強してみるのもおすすめです。

    ポイントを活用する

    ポイントプログラムやキャッシュバックサービス、クレジットカードの特典などを活用すると、現金の支出を削減できる可能性があります。

    例えば日々の買い物をクレジットカードで支払い、貯まったポイントで月々の引き落とし分を支払うといった方法があります。ほかにもポイントのキャッシュバックを受ける、ポイントで日用品を買うなどお得な方法を探してみるとよいでしょう。

    収入を増やす

    貯金をふやすためには、「いかに支出を減らすか」に注力するのではなく収入を増やすことに意識を向けるのもひとつの方法です。

    すぐにできるのは、所持品を売ってお金にすることです。継続的に収入を増やしたい場合は、スキルの向上や専門知識の習得を通じて昇給や新しい職種への転職を検討するのもよいでしょう。

    また、副業やフリーランスの仕事を始めて追加の収入源を確保するという方法もあります。今の収入や仕事内容を踏まえて、収入を増やす方法がないか検討してみてください。

    早くお金が必要なら貯金以外の方法も検討しよう

    100万円を貯金する目的によっては、貯金以外の方法が向いている可能性も考えられます。

    例えばスキルアップのための資格取得費用やインプラント・歯列矯正など自由診療に関する費用、結婚式費用などは、その後のライフプランや健康に大きく影響します。そのため、100万円貯金できるまで待つのではなく、できるだけスムーズにお金を用意できるほうがいい場合もあるでしょう。

    お金が必要な場合は、カードローンなどの借り入れを視野に入れることもおすすめです。カードローンをうまく活用すれば必要なものが先に手に入り、金額を分けて返済できます。

    よくある質問

    20代で貯金が100万円は少ないですか?

    単身世帯の場合、20代の約4割の方が貯金額100万円未満となっています。世帯人数などによっても異なるため一概にはいえませんが、決して少ないわけではないでしょう。

    年間で100万円貯金するには、具体的にどうすればいいですか?

    例えば以下のような方法があります。
    • 固定費を削減する
    • 月の初めに予算を考える
    • 先取り貯金をする
    • 家計簿をつけて貯金の進捗を管理する
    • 控除を利用する
    • ポイントを活用する
    • 収入を増やす

    詳細は「100万円貯金するためにやるべき7つの方法」をご確認ください。

    貯金ができない人の特徴は?

    貯金ができない方は、「収支が把握できていない」「余ったお金を貯金すればいいと考えている」といった可能性が考えられます。
    まずは家計簿をつけるなどして収支を把握し、無駄な出費がないか確認しましょう。また、収入が入ったタイミングで貯金口座に一定の金額を振り込む「先取り貯金」をするのもおすすめです。

    貯金額が100万円を超えたら何をすればいいですか?

    貯金額が100万円を超えたら、数カ月〜半年分の生活費を確保したうえで投資信託などにより資産形成を始めるもおすすめです。

    投資信託は、投資した人から集めたお金を専門家が運用して、利益が出た場合に投資した人が配当金を受け取れる方法です。資産の運用は専門家が行うため、初心者の方でも少額から始めやすい資産運用といわれています。
    ※投資信託は元本が保証されているわけではないので、注意が必要です。
    小宮 崇之
    CFP®(公認ファイナンシャルプランナー) / TLC(生命保険協会認定FP) / 損害保険プランナー / 証券外務員一種 / 日商簿記検定2級
    小宮 崇之(こみや たかし)
    大学卒業後、信用金庫に入社。中立的な立場でお客様目線の営業をしたいという思いから、保険代理店として独立を決意。保険会社の代理店営業職、保険会社の研修生を経て2020年9月に保険代理店を設立。
    保険代理店の実務経験を生かして、執筆業や講師業も行う。
    スマホで借りて、スマホで返す ORIX MONEY