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目的に合わせて利用!クレジットカードとカードローン払いの使い分け

目的に合わせて利用!クレジットカードとカードローン払いの使い分け

すでに生活に浸透しているクレジットカードですが、クレジットカードとカードローンの違いが明確ではない方も多いのではないでしょうか。返済計画を立てずにお金を借りすぎることは禁物ですが、「ちょっと手元にお金がない」「急な冠婚葬祭で現金が欲しい」など、お金が必要なときに借りることができるクレジットカードのキャッシング機能やカードローンを知っておくと役に立つかもしれません。

そこで、今回は目的に合わせて利用できるクレジットカードとカードローンの違いや特徴、使い分けについて解説します。

クレジットカードとカードローンの違い

クレジットカードとカードローン、どちらも上手に利用することで欲しい商品やサービスを手に入れることができます。しかし、使い方や特徴、支払い・返済方式などさまざまな違いがあり、どちらを使えばよいか迷う方も多いと思います。ここでは、クレジットカードとカードローンの違いについて具体的に解説します。

同じ会社からの発行でも違う?クレジットカードとカードローンのサービス・使い方

最初に、クレジットカードとカードローン、それぞれの特徴や使い方を説明しましょう。

1. クレジットカードについて

クレジットカードは、買い物やホテルの宿泊費などの支払いができるショッピング機能(代金の後払い)がメインのカードになります。また、ショッピング機能以外にも付帯されている機能が多いのが特徴です。
クレジットカードの種類にもよりますが、現金を借りることができるキャッシング機能や国内外の旅行の傷害保険、飲食店の割引などさまざまな機能が付帯されています。

カードは、クレジットカード会社が発行しており、年会費もカードの種類によって異なります。申し込み対象は18才以上で、本人か家族に安定収入があればお申し込みは可能ですが、作るための審査があります。

ほかにも、法人カードを作って会社の経費を管理することにも活用できます。ゴールドカードやプラチナカードなど種類も豊富で、利用目的やライフスタイルに合わせた機能がたくさん用意されています。

2. カードローンについて

カードローン用に発行されるカードは現金を借り入れるキャッシング機能がメインです。お借り入れ専用のためクレジットカードのように直接ショッピングに使うことはできませんが、利用限度額の範囲内であれば、何度でもお金を借りることができるのが特徴です。

カードは、銀行や消費者金融が発行していますが、クレジットカード会社もクレジットカードとは別にカードローンを取り扱っているケースもあります。一般的に年会費は無料で、申し込み条件は20才以上、本人に安定した収入が必要で、作るための審査があります。

多くの金融機関が取り扱っているため、がん保障が付帯したものや不動産を担保にして1億円もの融資が受けられるものなどもあります。用途も自由に使えるものから事業資金に利用できるもの、ブライダルや教育資金などのさまざまなタイプのカードローンがあります。

金利も違う?クレジットカードとカードローンの支払い・返済方式の違い

クレジットカードとカードローンでは、手に入れた商品やサービス、現金に対して、支払方法、返済方式が異なります。また、金利のかかり方も違うので、それぞれの支払い・返済方式についてみていきましょう。

クレジットカードでは、一般的に「1回払い」「一括支払」なら金利や手数料はかかりません。しかし、「リボルビング払い(以下リボ払い)」「複数回払い」などは金利に相当する手数料が必要な場合があり、クレジットカード会社によって実質年率も異なるのでよく確認するようにしましょう。

カードローンでは、お金を借りた時点で融資額や残高に応じて金利がかかることになります。返済方式は「リボ払い」「一括支払」等、金融機関で定めた返済方式で毎月元金に利息を加えて返済していくことになります。
返済方式を選べる金融機関もあるので、よく確認するようにしましょう。

審査の基準はどう違うの?どのカードも審査基準は独自で非公開

カードを作る審査は、「いくらまでキャッシング枠を認めるか」「返済する能力があるか」などといった目線で行われ、審査の結果、断られる可能性もあります。同じ会社が発行しているクレジットカードとカードローンでも、それぞれに審査の基準が異なります。審査基準はどの金融機関も公表していないので正確なことはいえませんが、各金融機関で独自に審査を行うため、一定の基準はあると考えておきましょう。

また、クレジットカードの場合は、ショッピング利用枠の審査のため、カードローンよりも限度額は低く審査が通りやすい傾向です。安定収入があり、過去に支払いが遅れるなど事故歴がなければ、心配することはないでしょう。とはいえ、ゴールドカードやプラチナカードといったハイクラスになると、通常のクレジットカードよりも審査は厳しいものとなります。
審査について気になる方は、それぞれの会社のWEBサイトにある簡易シミュレーションを利用し、カード会社に問い合わせてみてください。

どちらがおすすめ?カードローン、クレジットカードは利用目的、方法から選ぶ

クレジットカードとカードローンの両方を併用することに問題はありませんが、特徴や使い方が異なるので目的によって使い分けることが大切です。自分の利用目的に応じて使いやすいカードを利用するのが賢明でしょう。ここでは、クレジットカードやカードローンの利用がおすすめの人について解説します。

クレジットカードがおすすめの人はどんな人?
  • ショッピングに利用するのがメインの人
  • キャッシングはほとんど利用しないが、万が一の決済のためにカードを持っていたい人
  • ポイントやマイルを貯めて、1枚のカードに集約したいと考える人
  • ボーナスで一括払いができる人
カードローンがおすすめの人はどんな人?
  • 付き合いが多く、急な出費が発生しやすい人
  • マイカーローンや教育ローンなどの返済があり、万が一のときのために現金が必要になる人
  • リフォーム費用や教育資金など、比較的大きな費用の支払予定がある人
  • 金利を低く抑えたい人
  • 毎月のご返済額を抑えたい人
  • 毎月一定の金額を計画的に返済したい人

クレジットカードのキャッシングとカードローンの申し込みを検討する場合、結局はどちらを利用するのがよいのでしょうか。それは、自分の利用目的に応じて判断する必要があります。

  • 少額のお借り入れや買い物がメインの方はキャッシング向き
    例えば、「買い物がメインでキャッシングはほとんど利用しない」「少ない金額しか借りない」方は、クレジットカードのキャッシング機能がおすすめです。お金を借りる頻度が低い方は、多少金利が高くても新たにカードローンを申し込む必要はないでしょう。また、返済までの期間が短く、少ない金額であれば、支払利息の負担もそれほど大きくなりません。
  • 急にまとまった出費が多く、金利を抑えたい方はカードローン向き
    「仕事や友人との付き合いなど、急にまとまった出費がよく発生する」「金利を低く抑えたい」方は、カードローンがおすすめです。カードローンは、クレジットカードのキャッシングよりも金利が低い傾向で、利用限度額の範囲内であれば、何度でもお金のお借り入れが行えます。キャッシング枠は、まとまった金額のお借り入れをするとショッピング枠を圧迫してしまうので、ある程度まとまった金額を利用したいときは利用限度額が高いカードローンがおすすめです。

どちらを選ぶか悩んだ場合は、利用頻度や利用目的、利用金額の大小から計画的に返済ができる方法を選びましょう。

まとめ

クレジットカードとカードローンの違いは、「ショッピングをメインとして使うのか」「借り入れをメインとして使うのか」にあります。クレジットカードとカードローンの両方持つことも可能ですが、それぞれ特徴や使い方が異なるので、利用目的によって使い分けることが大切です。利用限度額や金利、返済方式に違いはありますが、クレジットカードのキャッシングもカードローンも、お金を借りることに変わりはありません。

クレジットカードのキャッシング限度額は、カードローンよりも低いことがデメリットですが、返済までの期間が短ければ、支払利息の負担は大きなものになりません。一方、カードローンのメリットは利用限度額が高く、金利が低いという点です。ただし、返済方式は「残高スライドリボルビング方式」の場合、お借り入れ残高に応じて返済金額が変動するため、しっかりと返済の計画を立てておくことが大切です。

クレジットカードのキャッシングとカードローン、利用目的に応じて自分に適した使い方ができるのが一番です。どちらを利用する場合も利用する前に、目的と利用金額をよく検討しローン返済例などを参考にして、しっかりと返済計画を立てておきましょう。

加治 直樹
1級FP技能士 / 社会保険労務士
加治 直樹(かじ・なおき)
銀行に20年以上勤務し、融資および営業の責任者として不動産融資から住宅ローンの審査、資産運用や年金相談まで幅広く相談業務の経験あり。在籍中に1級ファイナンシャル・プランニング技能士および特定社会保険労務士を取得し、退職後、かじ社会保険労務士事務所として独立。現在は労働基準監督署で企業の労務相談や個人の労働相談を受けつつ、セミナー講師など幅広く活動中。中小企業の決算書の財務内容のアドバイス、資金調達における銀行対応までできるコンサルタントを目指す。法人個人を問わず対応可能で、会社と従業員双方にとって良い職場をつくり、ともに成長したいと考える。
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